あいさつなど小さなことにこだわり、心が変わり、行動が変わった

あいさつなど小さなことにこだわり、心が変わり、行動が変わった

先日の県岐阜商のコラムの中で、記録員としてベンチに入った小木曽選手は、上記表題のように語りました。
私はこの言葉に全てが集約されていると思います。
選手の成長、そして人としての成長は我々も含め全ての人間に於いて、まず目に映る事からキチッとしなければなりません。
私が定期的に取り上げる『心技体』の話の中で、なぜ『心』が最初に来るのか。
古来日本人は礼と友和を大切にして来た民族です。
しかしそれを大切に重んじて行くには心の部分が荒んでしまえば礼も友和も保つ事は出来ないのです。

それは日本のスポーツに於いても同じで『礼』と言う形にこだわるのです。
一番わかりやすいのは柔道ですね。
世界選手権やオリンピックで試合前の礼の仕方、そして会場を後にする際の見事な礼は外国人選手ではなかなか見る事が出来ません。
日本の柔道選手の礼は圧倒的に優れています。
野球も同じです。
礼に始まり礼に終わる。
形にこだわる事で心に成長を与える。
これが日本に古くから伝わる伝統なのです。

『あいさつなど小さなことにこだわり』、これは形です。
すると応援をしてくれる先生方が増えたと言っています。
目に映る事の形にこだわった結果、周囲の自分達に対する雰囲気が良くなった。
こうした結果を以て自分達の心が変わった。
心が変わったと言うのは、自分達が気付いたと言う事でしょうね。
気付いた事によってその後の行動が変わって行ったと言う事でしょう。
その結果何が起こったか。
小木曽選手は甲子園に来られたのもPLに勝てたのも、技術よりもそこかなと答えています。

信じられないかもしれませんが、島商野球部では一時期に遠征用のバスの清掃やグランド脇にあるトイレ掃除は父母会が行っていました。
それが当たり前として通っていたのです。
昨夏の静岡高の山田主将は、元島商監督の山田監督の息子さんです。
彼はトイレ掃除を後輩に押し付けるようなことは決してなかった。
皆が嫌がる事でも率先して自らが行ったと新聞記事に出ていました。
心が成長し行動に出ている証でしょう。
礼に拘る事で自分を成長させる事の大切さを如実に物語っていますね。

そしてユニフォームの着方も礼儀の一つです。
帽子の被り方など小さな事かもしれませんが、皆同じようにしっかりと被る。
こうした形にこだわる事は何も一つだけではありません。
自らが直さなければならない所はしっかりと直す。
当たり前の事が出来るようになって初めて応援してもらえるようになるのです。

しかし島商も今年より駅から島商までの通学路の中で周辺の清掃活動に取り組んでいます。
とても良い事です。
是非とも続けてこの形に拘って欲しいと願います。
その中から、必ずや心の成長を見出すことが出来るでしょう。